BSR

□お弁当
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「あー腹減ったー」

昼休み、長曾我部と毛利が二人で屋上に来ていた。
幸村は弁当を忘れた為佐助(道連れ)と一緒に全力で購買まで走って行った。政宗は小十郎が風邪気味なので、暖かい教室で食べる事にしたと言う。
なので、普段は六人で食べる筈の弁当時間、屋上に二人きり。長曾我部からするとラッキーだが、毛利の方は別に変わった反応も無く、少し落ち込みはしたものの別に良いかと思いなおし、朝コンビニで買ったカレーパンとヤキソバパンを鞄から引きずり出した。

「…貴様、パンしか食わぬのか」

不意に、横から声が聞こえた。
二人してフェンスに寄っかかって居る為、顔は見えない。だが六人でいる時もこうして並んでいる為に、長曾我部は別段気にせず顔を毛利に向ける事も無く、何時も通りに返した。

「あーいや、今日はたまたまパンだっただけだよ。おにぎりとかも買うし…ていうか、気分で買うから別にパンしかって訳でも…」
「そうか…
  しかし、パンだけ、おにぎりだけでは栄養が偏るのでは無いか?」

あれ、そっち方面の話?とかぼんやり思いながら、まだぼんやりと空を見る。あー、今日は雲が少ない。明日もきっと晴れで、こいつの好きな日輪が拝められるんだろう。ていうか、何で日輪に溺愛なんだ。

「さあなぁ…。多分偏ってるだろうが、気にした事も無いし体調崩す事も滅多にねぇから…」
「野菜は摂っているのか?」
「時々」

何だろうこいつ、何時も弁当手作りで豪華だけど、それはもしかすると栄養とか考えすぎて色んなモン詰め込んでるだけなのか?それで何時も「食いすぎた、明日は減らそう」とか言って逆に増えてるのも考えすぎなだけなのか?ていうか天然?
量を減らしつつ栄養も今の様にとれる弁当、とか考え込み過ぎてああなるのか?でも逆に増えるってどう言う事だよ。

「それから貴様、偶に隈が出来ている事もあるし、最近はよくぼーっとしておるな。睡眠はとっておるのか?」
「一応な。つーかぼーっとしてるのはバイトの疲れが抜けて無いからだなぁ。」
「…で、バイトから帰ってきて倒れる様に寝、次の日ぎりぎりまで寝ておるが故のコンビニ弁当と遅刻、か…」
「分かってんじゃねぇか」

けたけたと笑うと、毛利が睨んできたのを何となく感じた。

「ふむ…しかし、栄養が偏り疲れが溜まるのも良くない」
「そらそうだろうがな。でもバイトしねぇと生きていけないしよ」
「…信親か」
「ああ。親が居ないから大変ったらありゃしねぇ」

またけらけら笑う。
その会話は自然に終わり、別の話題に移る。何時も六人でいる時にする様な、他愛の無い会話をしていると、予鈴が鳴り、教室へ帰る。そこまでは何時も通りだった。

「今日は貴様の家に泊まる」

きっと今の俺は随分間抜けな顔をしてるんだろう。そう自分でも分かる程に、毛利の言葉が理解できなくて混乱した。

「は、ちょ、何で」
「良いから泊まる。良いな」

何が何だか分からないまま流され、学校が終わり帰路に着いていると毛利が付いて来る。
何で行き成り泊まりなんだと思って、部屋が汚いとか晩飯の事とか考えて焦っている俺の心境を察しているからか、何処となく勝ち誇っている様な顔をした毛利が本当に泊まりにきた。

でも俺はすぐにバイトに行かなければならない為、信親に毛利を任せて家を出る。
五時頃に出て、八時頃に帰宅。しんどかった、と毛利が居る事をすっかり忘れて家に入れば、明らかに何時もと違う光景。

リビングのドアを開ければ、信親と毛利が二人向かい合って鍋を突いている。鍋の良い匂いと、湯気の所為で暖まった部屋は心地よかった。

「疲れてこの時間に帰宅するなら、貴様の事だ。ろくに飯も食わずそのまま眠り込むのだろうと思ってな。台所を借りた。足りない物は買って来たから、余った物がまだ冷蔵庫に入っている。ちゃんと使え、駄目にして捨てたら許さぬぞ」

顔は鍋に向けたまま、どこか微笑み気味の毛利が淡々と喋る。この意味も初めは理解できなかった為、しばらく唖然とした。
何となく意味を掴み始めた頃、洗面台で手を洗い、既に俺の皿が用意されている場所に座り、毛利に礼を言って俺も鍋に手を伸ばした。




翌朝、長曾我部が無理矢理揺り起こされ渋々起き上がってリビングに向かえば、既に三人分の朝食と弁当が作ってあったと言う。





(激短ですまーん^p^
  とりあえず、バイトかけ持ちでお疲れの、細かい事を気にしない(ていうか本人が細かいと思っている事が一般的には細かくない)アニキと、几帳面すぎる天然なのか不器用なのか微妙なオクラ。

  前半のお弁当食べてるシーンは、アニキが常にオクラの事を考える様に頑張った(笑)

  何となく、ほのぼのが書きたかったんだ…!

  そして、作中では喋りませんが信親。現代では兄貴の弟設定です。戦国じぇだいの「ヘボ親父」ならぬ「ヘボ兄貴」です。でも怒ると中学時代の「鬼の旦那」に戻る事を知らない信親。すれ違いすぎな長宗我部兄弟が好き。
  
  ついでに隆元。現代ではオクラの弟設定。信親は、この間アニキに「元就さんは未来の兄」と宣言したそうです。そして未来の兄には優しいそうです。そりゃ勿論、自分と隆元はそう言う関係だと言う(ry

 あとがきが無駄に長い^p^ではこの辺で。駄文すみませんでした!)

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