CP小説短編 BL
□どいつもこいつも ぶっ壊れちまえ
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グリムジョーは、一護に負けて、ノイトラにもやられ、自らが情けなかった。
思い人であるウルキオラは今、天蓋の上で一護と戦っている。
上に重い霊圧があるのがビリビリと伝わって来るからだ。
さすが第四様……俺の大切な奴なだけあるぜ…
流石、俺の……
そう思っている時だった。
「……っ!?ウルキオラ…!!」
突如天蓋の上の霊圧が消えた。
それは、ある者には苛立ちを、ある者には絶望をもたらしたのだった。
アイツが…ウルキオラが負けたんだ……
思うように動かない体を必死に動かして這って行く。
もしかしたら、ただ単に霊圧が弱まっただけだと信じて…
それが、自分が作り出した虚像だということを否定して。
だが、現実は残酷過ぎる―――。
グリムジョーには第五の塔まで這っていく体力など、もはや残っていなかったのだ。
最後まで続いていた戦いの音が止んだ。
………虚夜宮中が静寂に包まれる。
荒い息を繰り返すグリムジョー。
上に広がるのは、無感情な青空。
誰の霊圧も残っていない。
あるのは己の霊圧だけ。
「ウルキオラっ…戦いはとっくに終わってんだろっ…?早く…降りて来いよ…!」
誰にも届かない言葉。
そこに、黒い羽が一枚飛んで来る。