CP小説短編 NL

□桜の夜に… 後編
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「あぁ……。肉体的ダメージと精神的ダメージの両方だそうだ。あと左腕は折れていて、今固定して安静にしている。頭蓋骨にもヒビが入っているらしい。肋骨にもな」


淡々と話すウルキオラ。
だが、その目線は織姫に固定し、グリムジョーを振り返る事はない。


「……そんだけで良かったな。やった奴らが女だったからそれですんだんだぜ?よりもウルキオラ。テメェどんだけここに居座る気だよ。そんなにその女が大事かよ…」


呆れ混じりの声で言いながらウルキオラの隣に来て、近くからイスを持ってきて座る。


見るのは横たわる織姫。


酸素マスクを着けたピクリとも動かない体は、生きているのかどうかわからない。
ただ、機械的な音が生きている事を伝える。


「俺のせいでもあるんだ…」

「体に悪いぞ」

「構わん。……俺は、どうにかしてしまった様だな…」


うなだれながら言う姿は、とても小さく見えた。


「休んでこい。俺が見ててやる」

「…すまないな……」


グリムジョーの珍しい労いに黙るが、優しさなのだとわかっていたので素直にそれに甘える事にした。


部屋を出るウルキオラ。


織姫の病室は個室だ。
きっとこれもウルキオラが手配したのだろう。


そう考えて、グリムジョーは笑った。


「あいつも変わったもんだな…。良かったな、女。あいつに気に入られてよ…」


悲しげな呟きは誰にも聞かれる事なく消えた。
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