CP小説短編 NL

□桜の夜に… 前編
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高二の春、新しい一日が始まって、朝のショートホームルームの最中、このクラスの朝からやけにテンションの高い担任が前に立って話をしていた。


「………という訳でお前等!このクラスに転校生が来たから発表するぞ。どうやら帰国子女ではあるらしい。転校生、入っていいぞ!」


その担任の言葉と共にドアが開いた。


静かに入って来て担任の隣に立つ男子生徒。
雪の様に肌が白く、それと対照的に神は真っ黒。
瞳は透き通る翡翠色。


「じゃあ自己紹介をしてくれ」

「今日からこのクラスに転入ことになった。ウルキオラ・シファーだ。こっちは久しぶり過ぎてよくわからない事が多いだろうから、よろしく頼む」


転校最初の挨拶で、どことなく上から目線の言葉。
それに数名の生徒が不満を持ったが、余り気にしていない生徒の方が圧倒的。


井上織姫もそのうちの一人だった。


「じゃ、ウルキオラ、お前の席はあそこな」


そう言って担任が指差したのは、織姫の隣だった。


指示された場所へ行くウルキオラ。
椅子を引き、一回動作を止める。


「お前の名はなんだ、女」

「はっ…えっ…!?えっとぉ…!」


ぼんやりしていた織姫は突然話かけられ、心臓が激しく脈打っていた。


「えっと、あたしは井上織姫だよっ!」


慌てながらもなんとか言った織姫の顔は真っ赤だった。


「そうか…。覚えておこう」


そう言って静かに座った。
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