CP小説短編 BL
□世界一 嫌いだと言ってくれ
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現世へ行った、ウルキオラとヤミーが帰ってきたらしい。
おかげで、僕達十刃と、その従属官に召集命令がかかったよ。
玉座の間に集まった僕等が見たのは、ボロボロのヤミーと、ウルキオラが見聞きし、感じた事だった。
ウルキオラと藍染様が話していたところに、グリムジョーが割り込んで言い訳の文句を言っている。
僕は、その時からどこか不安で仕方なかった。
全員が解散すると、僕は兄貴を心配しながら自宮に戻った。
従属官のルミーナやベローナ達が僕を出迎えたけど、無視して自室に入った。
入ると、巨大なベッドに倒れこむ。
そして、不安を忘れるために目を閉じる。
しば、くして、僕はそのままいしきを手放した。
ふと、温かな温もりを感じ、目を開けると、兄さんがベッドの端に座って、片手で僕の手を握り、優しく髪を梳いてくれていた。
「兄…さん……?」
「あぁ、起きたのか、兄弟」
いつもの声、いつもの優しい温もり……
兄さんの全てが僕を癒してくれる。
兄さんがベッドの中に入ってくる。
それを止めず、入ってきた兄さんに擦り寄った。
「ザエルアポロ……」
呼び声と共に僕を抱き寄せ、優しくキスをする。
しだいにそれは深くなり、自然と声が漏れてしまう。
だんだん苦しくなってきて、兄さんの胸板を軽く押す。
それに気付いた兄さんは、すぐに、だが名残惜しげに解放してくれた。
二人を銀の糸がつなぐ。
僕らはそのまま溺れていった……