Story.U

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さぁ行くよと言われたのはいいけど、何で屋根に登ったのあの人。

物凄い跳躍力だなぁと関心して見ていたら手招きされた。


「ほら!早く行くよ!」

「何の冗談ですか?」

「は?」

「私そんな事出来ないですよ」


私がそう言ったのを聞いた女の人はまた溜め息をついていた。

そんなビックリ人間な事なんて出来ないよ。火影様といい、この人といい何だか嫌な予感しかしないよ…。

本当は屋根を跳んで行く予定だったのにと愚痴る隣の人を無視してただ足を動かし歩く。

歩いていると嫌な予感をひしひしと感じるものが目に入ってしまった。

━━ほっ火影岩っぽい?

これはヤバイ、何てこったと内心めちゃくちゃ焦っていると着いたよと声を掛けられた。

目の前の建物を見てついに口が開いたまま閉まらなくなってしまった。

色んなもの諦めて考えたのは、今の火影は何代目だ?だった。




女の人の後ろを付いていく間、見た事ある廊下に一人感動していた。

すげー!漫画で見たまんまだと心の中で叫びまくっていたら、前を歩いていたはずの女の人が止まっててぶつかってしまう。


「ぶっ!…ごめんなさい」


チラリと私を見た女の人は呆れた顔をして深い深い溜め息を吐き出した。

その後ドアに向き直りコンコンとノックする。

中から入れという声が聞こえて女の人がドアを開けるとしわしわのおじいちゃんが座っていた。

三代目だぁ!と頭の中で小躍りしていると女の人が中に入って行く。慌ててそれに付いて行くと三代目と目があった。

あれ?三代目って優しいおじいちゃんじゃないの?目力はんぱないんだけど…。


「おぬしら、任務はどうしたんじゃ」

「それが…」


女の人が私の状態を報告している間、何故かはんぱない目力で三代目が見つめてくるし、潜んでいるであろう暗部からのプレッシャーに息が詰まる。

もうNARUTOの世界にトリップでも何でもいいから拷問だけは勘弁ダァーッ!!と冷や汗だらだらで考えていたら三代目に話し掛けられた。


「どこまで覚えてないのじゃ?名前は覚えとるかの?」

「あぁー…それはですねぇ…」


正直に話すか?嘘付いてもすぐバレるだろうし…。

拷問されそうになったら無駄だろうけど逃げてやる!よしっと気合いを入れて話していく。

気付いたらあの部屋に居た事、部屋の主の事は知らない事、記憶とかないわけではない事、下手くそな説明をしている間も三代目の視線が刺さりまくって逃げ出したかったが我慢した。

たぶん異世界から来たって事はまだ伏せて説明したけど、今まで住んでた場所分からないとか結局は記憶喪失と一緒だよね私。


「ではおぬしの名前は何というのかの?」

「如月栞です。」

「…嘘偽りはないんじゃな?」

「はい」


全身から噴き出す冷や汗に不快感を感じる余裕がない程のプレッシャーに座り込みそうになる。

何だかヤバイ空気に自然と逃走ルートを探してしまう。

忍には勝てないだろうけど、走るのは速い方だから何とかならないかと考えまくる。

逃走しようとしていた私に三代目は聞いてきた。


「おぬし何者じゃ?」




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