Story.T


□第七話
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大人達に囲まれていたナルトを連れてどこかへ行っていたシオリが帰って来たのは1時間程経った頃だった。
そして今、複雑な顔をして目の前に座っている。
「なっちゃん、私本物の馬鹿かもしれない」
「シオリちゃんが馬鹿じゃなかった時なんてあったかね」
「何気に失礼だよ、なっちゃん」
昔の呼び方に戻っている事に気付いているのだろうか。
私が主治医になってから呼び方が変わったのだが、今みたいに感情が不安定になると呼び名が戻るのだ。
「私は忙しいんだ。話したい事があるならさっさと話せ」
「なっちゃんスパルタだよ。私の事大切だって言ってくれた舌の根も乾かないうちにスパルタ発言かよ」
「仕事とそれは別だ」
「なっちゃん希少な忍医だもんね。まぁ簡潔に言うと、私ナルトにメロメロみたい」
彼女は真面目に言ったのだろうが、私は飲んでいたコーヒーを噴き出してしまった。
「なっちゃん汚い」
私が噴き出してしまったコーヒーを避けて彼女は口を尖らせ怒った。
避けた姿を見て、流石は元忍だななんて思いながら噴き出してしまったコーヒーを拭く。
「メロメロってシオリお前…」
「恋愛対象としてじゃなくて、何だろ…いちいち笑顔が眩しくてウザイくらいに可愛い」
「それ褒めてるのか?」
「もちろん」
そう返事をする彼女を見て思わず溜め息が出た。
「自分勝手だよね。大人の都合で振り回したらダメだって分かってたのにね」
「名乗り出るの?」
彼女は困ったような顔をするだけで答えてはくれなかった。
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