Story.W


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夜遅い時間で人通りが少ないといっても誰もいないわけではない。

第三者から見れば道の真ん中でキスするバカップルなのだろう。

じろじろ見てくる人やチラッと視線をよこして邪魔なんだというオーラをだしている人もいる。

暗いから顔まではっきり見えないだろうけど、こんなところを知り合いに見られたら恥ずかしさで死ねる。

全然離してくれる気配のないはたけカカシ氏ともがく私。

この状況を打破するために私は一つの決意をする。

本当は嫌だけどこれ以外に方法が思いつかない。

あいかわらず私の唇をなぞるはたけカカシ氏の舌を受け入れるように、唇に入れていた力を抜いて小さく口を開く。

至近距離で絡み合っていた視線の先ではたけカカシ氏の目が笑った。

絶対にしてやったりとかコイツついにおちたとか思ってるんだろうな…何か腹立つ。

遠慮もせずに私の口内に入ってきたはたけカカシ氏の舌。

生き物のように動いて私の中をあばれまわる彼の舌に歯をたてて、そのまま思いっきり力を入れた。


「んっ!」


痛みから出たのであろう呻き声がはたけカカシ氏の口からもれる。

やっと解放された私の口内は少し血の味がする。

少し強く噛みすぎたかなって思ったけれど心配はしてやらない。

これは彼の自業自得なのだから、私はきっと悪くない。


「やってくれたネ」

「自業自得ですよ」

「シオリが舐めてくれたら痛みひくと思うんだよネ。ねえ痛むから舐めてヨ」

「私の言った事聞いてましたか?」


はたけカカシ氏はただの変態か?ドMなのか?

拒絶反応なのか鳥肌が…

私を見ながら舌を出す彼は悔しいけど色っぽい。

でもどんなに色っぽくても中身が残念すぎる。

はたけカカシ氏のことを知れば知るほど中身の残念さを知っていく。

この人には二度と関わりたくないってのが私の心からの望みになった日だった。




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