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□最高のプレゼント
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なにもない休日。
携帯の着信が鳴っているのに気づき、メールボックスを確認すると
『誕生日おめでとう!!』
「そうか今日って…俺の誕生日か…」
最近練習やらなにやらで忙しくてすっかり忘れていた。
それにしても俺の誕生日を知っててこんなに早くに誰からだろうと画面を見る。
「緑川…?」
あれあいつに誕生日なんて教えたっけ、と考えるより先にメールの本文がまだあることに気づく。
『今年も円堂と仲良くしてやりなよ!いつでも相談のるよ☆』
ど こ の 女子高生!?
そういうことか…ってかそれが言いたかっただけなんじゃ…
そういえば
円堂 は…?
…いやいや落ち着けあいつが人の誕生日なんて覚えてるわけないだろあいつはサッカーの守くんだぞ宇宙一のサッカーバカだぞ絶対そんな配慮はない…
「…ま…まぁそんなもんだよな」
と、またメール着信。慌てて携帯を開き画面を確認。
『今日って、おまえ確か誕生日だったよな。おめでとう!』
まさか……送り主は…!?
半田
………そうか。うん。
あぁ、ありがとな!とだけ返信しておいた。
「はぁ…くるわけない…か」
買い物を頼まれて近くのスーパーまで買出しに。と
メール着信。
「だ…誰だ今度は…」
『誕生日おめでとう。』
このシンプルなのは……
豪炎寺。……お前か
ってけっこう俺の誕生日知ってる奴いるもんだな…
そんな事を考えながら買い物を終えて家に戻る。
……まだ、か。
明日の準備をしながら机の上にある携帯に目をやる。
変化、なし
「あー…もうやめだ!」
期待してる俺が馬鹿みたいだ…結局なにも来ないじゃないか…
ベッドにあおむけになって
目を閉じた。
そもそもあいつが
………いや、ちょっと待て
そもそも だ
あいつは俺の誕生日を知ってんのか…!?
そりゃ昔は知ってたかもしれないけど中学入ってから部活違ったからあんま話さなかったし…
失敗だった…根本的なとこから間違っていたのか俺は…
「はぁ…涙でてきてきた」
苦笑しながらベッドの上で天井にむかって右手をつきあげる。
「ばーか……なんで」
「おーいっ!風丸ーーーっ!!」
ほんと馬鹿だ…こんな夜遅くに円堂の声がきこえるはずないだろ
「かーぜーまるー!!」
「って…」
あわててベッドから飛び起きて窓の外を見ると_______
「…」
そこには 月明かりに照らされた、いつもの笑顔。と
「ちゃんと見てろよー!いっくぞー…!!」
両手に抱えた袋をおもいっきり空高く放り投げた。ばさっという音と共に中身が空高く舞う。
ひらり、ひらりと
「桜…?」
月の光と淡い桜の花びらと。春の風がゆっくりと落ちていく花びらを舞い上がらせる。
「誕生日、おめでとう風丸。」
「っ……えんどう…!!」
それは、最高の
誕生日プレゼントだった。
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ありがとうございました!勝手に春生まれになっててごめんなさい!終ってから気づきました…