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□冬がきた
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「さみーな…」

今日もいちだんと冷え込む朝。こういう時は手袋って便利だと思う。昨日出してきた黒い手袋を見ながら思う。そう考えるとまあそれなりにグローブも温かいのかな…
そんなことを考えているとエメラルドグリーンの髪が視界の隅に入った。
「お、佐久間!」

いつもの通学路。いつものように見つけた佐久間に声をかける。

「…源田」
「ん?何だ?」

  

「手。」

 突然俺の目の前に差し出された小さな手に驚く。

「寒い。」



 ああ、そういうことか。寒いから俺に温めろと。

「分かった分かった。ほら」
手をつかもうとすると手をひっこめられた。


 あれ…?
「それ」
「?」
「それじゃあったかくない。」


 な な…それは手袋越しじゃ嫌だっていう事か…

「…佐久間ぁー!!!」 
「なっ…離れろアホ!」

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