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□ココロノコトバ
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待ちに待った文化祭、
と言いたいところだが今の状況ではなんともいえない。俺のクラスは喫茶店(?)のような企画だったのだが、…
「似合ってるよ、緑川♪」
「なんでだぁぁぁぁ!!」
みんなかっこいいと思うよ。黒の…なんていうのアレ…執事みたいな。でも
なんで 俺 だ け
「メイドなんだよぉぉ!!」
「可愛い可愛い。」
「違うだろ!!」
「…何が?」
「俺は男だ!なのになんでみんなとちがうんだよ!みんなして…砂木沼さん!なんでですか!!」
唯一助けてくれそうな砂木沼さんに聞いた。が、しかし。
「いや、基山が聞かなくてな…すまん私にはどうすることもできないのだ」
「いやっ…あなたは悪くないです…悪いのは…こいつだ!!」
「え?」
「しょうがないだろう女子が少ないものでな」
ヒロトの横で代わりに説明したのは玲奈さん。黒が似合うなかっこいい…ってなんで男に紛れてんのあなたは女でしょ!俺のと交換してくださいよ!!
「いや、無理だ。サイズ的に」
「冷静につっこむなぁぁ!!!」
まあそんなこんなで始まったわけだが。
「お嬢さんまだ飲み物来てないんだがね」
「!…すっ…すみません今持ってきます!!」
って、女じゃねぇぇぇ!!とか心の中で叫んでいた。
思ったより人が入って忙しい。よそ見なんてしてられないなと思ったそのとき、ふと近くの会話が聞こえてきた。
「あのさ…基山君ってかっこいいけど誰かと付き合ってたりするの?」
「いや…いないよ」
な…この忙しい時になんてくだらない…しかもヒロトは仕事中だぞ!よくある「文化祭だからノリで好きな人のこと聞いてみよう」とかいう女子の考えか…そんなんよそでやれ!これだからこういう女は嫌いだ…
「でもね、狙ってる子がいるからさ」
「え?!マジ!?……誰よ?」
・・・ヒロトって好きな子いたんだ
「♪教えないよー」
「マジ気になる〜」
俺が聞きたいわ。ってあれ…そうじゃなくて!!仕事仕事…
その後ヒロトと目があったのは言うまでもない。
「ふー…忙しかったね」
夕方になり、ちょうど片付けを始めようとしているとヒロトが話しかけてきた。