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□見えない距離
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「おーいそっち運んでくれー」
文化祭。雷門中でも一大イベントのそれはやってきた。
クラスでの準備では中心となって仕切る人間が必要になってくる。うちのクラスでは円堂が中心に順調に準備は進んでいた。始めは女子の方がこういうのむいてるとかで反対していたが、やっぱりなんだかんだ言っていたについてるじゃないか…
そんな円堂を作業しながら横目でちらっと見ていると、みんなが集まってくるのが見えた。
「飾りはいつ頃できる?」
「明日には」
「円堂ーこっちのは?」
「おう…今行く」
忙しそうだな…
やっぱり円堂はいつもみんなの中心にいる。サッカーでもそうだ。
(…キャプテンってみんなそういうもんかな
)
………
届かないところに いるみたいだ____
どうも気になる。さっきから円堂の方ばっかり気になって作業に集中できない…
変わらない、よな
すぐいつもみたいに 笑ってきて くれるよな
「なんでだ…」
いつもの光景。いつもの いつもの…
「風丸!」
「!!!」
「どした…?」
「いっ…いや別に!なんでもない!」
「なんか変だぞ?」
「ちょっと疲れただけだ…休んでくるから円堂は… 」
みんなのところにいてやれよ________________
それだけ言って、早歩きで教室を出た。