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□満月が見える空の下
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満月だ 綺麗だな…あいつにも 見せたいな…



 佐久間に会いたい…

机の横にある窓から光が差し込む。空にぽっかりと浮かぶ満月を眺めながら、何回思ったか分からないそんな言葉をまた繰り返す。


会えなくなってから気づくもんだな…大切なものほど見えないって言うし…

 満月か…よく一緒に見たな…
…かぐや姫でも降りてこないかな。(もちろん俺にとっては佐久間でしかない)
目を閉じて最後にあった日を思い出す。


 帰ったら祝勝パーティやるから準備しとけよな

 はは…お前本と気だけは早いん…



「おい」
「なんだよ…眠いんだから話かけ…」

   ん?あれ…

「え…」
あわてて声がした方を見ると誰も居ないはずの部屋の真ん中、月明かりの中



「!!…佐久間っ…なんでここに…」

 会いたいから 会いに来た なんか文句あるかよ



 目の前にいる佐久間に触れようとした、その瞬間―――
「!!」





 静まりかえった部屋の中に、時計の秒針の音がやけに大きく聞こえる。



 「だれもいない…」

 夢、か……にしても妙にリアルな夢だったな…










同時刻 ライオコット島

「げんだ…」
 
 なんだ…俺は寝てたのか?
夕食が終わって休憩がてら自室で本でも読んでた、はず。気づいたら寝ていたようだ。机に突っ伏して寝ていたからか体中が痛い。背伸びをしようと椅子をひいたとき、ふと外の光が窓から見えた。



満月だ 綺麗だな…あいつにも 見せたいな…








あいつもこの空の下 同じ月を 見ているんだろうか








 

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