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□夜空の星々
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わからない。
何故だか気分が晴れない。

なのに、空は私の気分なんか気にもせず相変わらず真っ青だし、
遠くでカモメは鳴いているし。

「どうしたの航海士さん」

微笑とともに歩み寄って来たのは、誰がどう見ても超度級のオリエンタルビューティ。

漆黒の瞳は夜空というより宇宙を思わせる。

「…どーもしないわ。
ただ少し気分が悪いだけ」

言いながら、
なんで私は平気で嘘をついているのだろう、と頭の片隅で考える。

ビビにはこんな風に喋らなかった。
年が離れたロビンに甘えているのかもしれない、とぼんやりと思う。

「だいじょうぶ?顔色が悪いわ」

「悪くないわよ…って、ちょっ!何!?」

腰から突如生えてきた腕に軽々と抱き上げられ、嘘つきな私はふわり、宙に浮いた。

「ねっ、ロビンってば!
降ろしてよー」
「だめよ、航海士さんちっとも休まないんだもの。
たまには休まなきゃ。
たとえ嘘でも何でも良い機会ね」

ああ、神様。彼女の漆黒の瞳は世の中の真理だけでは飽き足らず、私の胸の中までをも見透かしてしまうようです。
「ロビンのいじわる」
「ええ、そうよ」

わたしは唇を噛む。
こっそりと艶やかな黒髪に顔をうずめ、ぎゅっと目をつぶる。
胸が、痛い。
いたい、いたい、いたい…いたいことばかりだ。
「好きよ」
心の中だけでこっそりと、つぶやいてみた。
「私も、」
「え?」
驚いて顔を上げたら、微笑むロビンにバードキッスをされた。
「…ホントいじわる」
「ふふ」

ねぇ、わがままを、
言ってもいい?


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