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夏の小娘日記


8月○日 晴れ

今日は、珍しく龍馬さんの時間が空いたので、二人でお散歩に行きました。

とくにあてもなく、ぶらぶらと歩いて、お団子を食べたりしました。

帰り道、道端に座り込んで風車をふーふーと吹いて回している女の子を見かけました。

真剣な表情が可愛くて、龍馬さんに教えようとした時です…

…………***

「龍馬さん、見て見て、あの女の子一生懸命で可愛いですね」

変な間が空いた。

「……?女の子?」

「え?あそこに、いるじゃないですか、女の子」

女の子を指差して、手をぶんぶん振ります。

「ん??どこじゃ?」

「えっ?…え、えっ?」

え?なんで?私にしか見えてないの?え?なんで、何それなんで…?
それって…え?

私の頭の中は「?」でいっぱいです。

きょとん顔の龍馬さんと女の子を交互に見て口をぱくぱくすることしかできません。

その時です。

女の子が私の後ろから聞こえてきた声に反応して、ぱっと立ち上がり、こちらに向かって走ってきて、私を通り越して行きました。

後ろを振り返ると、お母さんらしき人と手を繋いで去って行きました。

「……りょーまさん…?」

ぽかんとしながらその二人の後ろ姿を見送った後に、横に立つ龍馬さんを見ると、顔を押さえて苦しそうに肩を震わせ、声を殺して笑っていました。

「龍馬さ…」

「ぶふっ……っはーっはっはははは!わははははは!!」

「!!!!もー!りょーまさん!わざとですか、わざとですね!もー!ばか!龍馬さんのばか!びっくりしたじゃないですかぁぁあ!」

「すっ、すまんっ…っくくくっ…ははは…」



**………………


というような事がありまし。

その後、謝りながらもまだ笑っている龍馬さんを一睨みして、知らないっ、と言い放って私は歩き出し、すぐに後ろから龍馬さんが謝りながら追い掛けてきますが、私はシカトしてずんずん歩き続けました。

すまんすまん待って待って、と言う声がだんだん近くなってきて、気付いたら……

背中から抱きしめられてました…!!
私はびっくりして身体が固まってしまい、耳元で聞こえる、すまん、と言う囁きに、とうとう許してしまうのでした。

我ながら、龍馬さんに甘いな、と思った1日でした。


でも、ちゃんと仕返しはしようと思いますっ☆



おわりっ




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