JE JOUE
□食事は大切だけど…
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今日は何だか忙しくって、朝からばたばた。
ようやく落ち着いたのは、みんなが夕飯を食べ終わった後で、私は結局、食べ損ねてしまった。
今から食べるのも、時間的にちょっとどうかと思うし、もうお風呂に入って寝ようかと廊下を歩いてたら、龍馬さんに呼び止められた。
「小娘、風呂か?」
「はい」
笑って返事をするけど、龍馬さんは顔を顰めて私を見る。
なんだろう……
「どうしました?」
「おまん……夕餉に居らんかったろう…飯は食うたんか?」
「えっ?えーと……」
龍馬さん、たぶん、心配してくれてるんだよね……
でも、食べましたなんて、嘘吐いたってどうせばれちゃうし…
「……食べ損ねちゃいました」
仕方なく正直に言って、あはは、と気まずく笑う。
「やっぱりか!」
龍馬さんはそう言うと、目を閉じて盛大に溜息を吐いた。
「だ、だって…忙しくて…」
私は少し口を尖らせて、言い訳をする。
すると、龍馬さんは目を開けて、眉間にしわを寄せたまま私の顔をじっと見据えた。
「小娘……しっかり飯をくわんと、まーた身体を壊してしまうきに、今からでも食べやー!」
私を諭すように、優しく、でも強い口調で言う。
うん、龍馬さんの言う事はききたいよ、ちゃんと。
でも、でもね…!
「だめですっ!こんな時間に食べたら…食べたら…」
「食べたら?」
顔を伏せて、目を泳がせる。
「食べたら、なんなんじゃ?」
「……太るんですー!」
持ってたお風呂グッズを握り締めて、声を大にして言う。
龍馬さんは一瞬、面食らった顔をしてたけど、おもいっきり吹き出した。
「はっ…ははははははっ!そ、そんなことを気にしちゅうがか?」
龍馬さんが、あんまり笑うので、私はむくれて龍馬さんを見上げる。
「しますよぅ…。切実なんですからねっ!」
「ほ、ほーかっ…」
龍馬さんはそれでも笑い続けるから、私は、ふんっと顔を横に向けた。