JE JOUE
□空へ…
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ある晴れた日に
縁側で、龍馬さんとのんびり日向ぼっこしてたら、いつの間にか龍馬さんは、自分の世界に入ってた。
「まただぁ…もぅ」
二人でいても、そこに入れないような空気を纏うことが、龍馬さんにはよくある。
そんな時は、隣にいる私の事も忘れてる様。
別にそれは寂しくないんだけど……
だいたい何かしら、これからの事を思い耽っているのであって、そこには私が居ることもわかっているから。
だけど、さすがにこう長時間だと、私もかまってほしくなって
「わっ!!!」
って、横で存在を主張するように大きな声を出してみる。
「おぁっ!!」
龍馬さんも同じくらい声を上げて、ひたすらびっくりした顔でこっちを向く。
私は視線が合うのを待ってから口の端を弛めて、草履を履いて庭に降りる。
「小娘……す、すまんっ…」
すぐに慌てた様子で謝る声が背中にぶつかる。
「…驚きました?」
見返って笑うと、龍馬さんは安心したように息を吐いて苦笑いをする。
「…放っておくからですよーーっ!」
私は龍馬さんに向かって舌を出すと、庭をてくてく歩きだした。
「……小娘っ…!」
龍馬さんも庭に降りて私の後をついてくる。
私を掴もうと伸ばされた手からすり抜けて、走って逃げてみた。
「あっ、こらっ!待ちやっ!」
「いやですっ」
庭を端から端まで、龍馬さんから逃げる。
狭い庭で、あっちへこっちへ二人で飛び跳ねるように走り回る。