トキドキめもりある

□トキドキめもりある2
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プリクラを撮ることが、以前よりも多くなった気がする。


友達と遊ぶ度に、両手では抱えきれないほどの量を増していくプリントシール。


今この一瞬を、楽しい時間を残しておきたいという気持ちと。

今この一瞬にいる自分を、将来の私へ伝えたいという気持ちが。


最近の私の中で混ざり合って、本当によく分からない。




「ちょっと最近メガネつけたりするのにハマッてるの」

「へー…よく分かんないけど」

「うん。だから適当に何か付けていい?」

「え、あんまり変なのつけないでよ」

「だーいじょうぶ、ほら、お髭とか!可愛くない?」

「えー!帽子とか耳とかの方がいいんだけど」

「えー…面白くした方が絶対いいと思うのに」

「もう少しマシなのにして下さい」

「ちぇ、じゃあ私にヒゲとメガネ付けて変質者にしておこう」




昔は、ネタとかギャグとかあんまり分からなくて。


今も、特別何か分かるわけでもないけど。

でも、少なくともこうやってラクガキするときに、ノリでネタをいれるようになってきた。


昔は絶対、おもしろおかしくなんて出来なくて、真面目に可愛く撮るのが精一杯だったから。




「普通に撮るより、こうして何かしら付けたり書いたりするのって記念でいいよね」

「あー、まあ、昔はあんまり出来なかったかな」

「ね、昔は真面目に撮ってた気がするなー」




些細な事だけど、自分の中に感じる変化。

余裕が出来たって思っていいのかな。




意味もないことの中に少しずつ自分を成長させていく糧があって、そうして人は大きくなっていく。


いい意味でも、悪い意味でも。


自分を創っていくのは、自分自身でしかない。




印刷されたシールを見て、普段と全然顔が違うなぁなんて思う一日の夕暮れ。


ふわあと欠伸を一つ。


こうして、今日も私の一日が終わっていくのだ。




少しの変化を、自分の中で受け入れようか否か混ざり合う思考の狭間で。


人は、確実に成長していく。










枯れた花の土の下
(それでもまだ、生きている)

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