零崎一賊の最愛家賊
□3.通り名
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だが。
ガキンッ
「遅くなってすみません、絃識クン。」
「あ・・・・・・・・・兄、さん・・・。」
目を開けると、赤屍が『赤い剣(ブラッディソード)』で二つの巨大な剣を受け止めていた。
紅葉と蒼葉は驚いた顔で突然現れた赤屍を見ている。
そんな二人の剣を、赤屍は軽くはじき返した。
「貴様、何者だ。」
「零崎ですよ。ここの彼と同じくね。」
「ならば・・・・殺すまで。」
「やってごらんなさい?」
椎本兄弟は一気に赤屍に飛びかかったが、力の差は赤屍の方が上だった。
気付いた時には、椎本兄弟はボロボロで剣を杖のようにして何とか立っていた。
そして、紅葉の方がハッと何かに気付いたようだった。
「思い出した・・・・その、赤い剣・・・・・。」
「おや?私がどういう零崎か、知らずに戦っていたのですか?」
「っ・・・・。兄上・・・まさか・・・・。」
蒼葉の方も、思い出したように紅葉を見る。
「「人類・・・・最愛・・・・・っ。」」
「・・・・・クス。」
二人が同時に呟いた言葉に、赤屍は笑った。
しかし、そこから溢れ出ているのは恐ろしい殺気だった。
純度100%の、零崎の殺気。
「思い出したのなら、それなりの覚悟は、できたんでしょうね?」
一歩踏み出すと同時に、溢れ出る殺気の量も倍増する。
「それでは・・・・・・」
ス・・・と、『赤い剣(ブラッディソード)』を構えた。
「零崎を、始めましょう?」
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