零崎一賊の最愛家賊

□2.出会い
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零崎一賊三天王が赤屍の家に着いた時、人識と伊織はビクゥッとなった。
実は、ここに居候している事を双識には言っていなかったのだ。
人識は日頃から放浪癖があって、砥石と伊織はそれに勝手に付いて行っている。
双識はそんな三人を心配して日本中を探しまわっているそうだ。
三人が丁度一文無しなったタイミングで赤屍と遭遇したためここに居候しているのだが、極度の家族思いかつ変態である双識に言うと後々面倒そうだから黙っていたのだ。
それを知らない赤屍が何も言わずに三天王を呼んだため遭遇してしまったという訳だ。
赤屍は曲識に抱きついて泣きじゃくっていた(哀川潤に相当虐められたらしい)。
そんな彼に代わり軋識と伊織が夕飯の買い物に行き、人識は双識の説教を受けた。
花月が付く頃には全員がテーブルに付いていて、その日のメニューはすき焼きだった。


「やあやあ!君が絃識君だね?私は零崎双識。一賊の長男だ!」

「零崎軋識だっちゃ。よろしくっちゃ。」

「零崎曲識だ。よろしく。」

「えっと・・・風鳥院花月、もとい零崎絃識です。」

「カルから事情は聞いているよ!大丈夫、家賊以外の前では花月君と呼ばせてもらうからね!」

「カル・・・・?」

「零崎銀識君の事さ。私達三人はそう呼んでいる。」

「あ、そうなんですか。」

「ちなみに、零崎双識は《自殺志願(マインドレンデル)》だからレン、零崎軋識は《愚神礼賛(シームレスバイアス)》だからアス、零崎曲識は《少女趣味(ボルトキープ)》だからトキ。私達はそういう風に呼びあっているんです。」

「へぇ・・・。」


仲が良いんだろうなと思いながら、花月はテーブルについた。




双「こら人識君、肉ばっかりじゃなく野菜も食べなさい。」
人「うるせー。そういう兄貴も肉ばっかりじゃねぇか。」
花「曲識さん、野菜しか食べてないじゃないですか。」
曲「僕はベジタリアンなんだ。」
赤「それに加えて小食だからトキは細いんですよ。」
曲「カルだって、大分細くなったじゃないか。お前は会う度僕に抱きつくからわかるんだ。」
赤「・・・仕事が忙しいと食べるの忘れてしまうんですよ。」
双「むっ、それは聞き捨てならないねぇ。ちゃんと食べないと倒れてしまうよ?」
軋「そうだっちゃ。あとカルは嫌いな物を片っ端から俺の皿にさり気無く移すのを止めろ。」
伊「えぇえ〜。そんな事されちゃってるんですか大将さん。」
軋「そうだっちゃ・・・ってオイ!さり気無く俺の肉を取るな返せ!!」
伊「もう食べちゃいました〜。」
双「さ、人識君。野菜、野菜。」
人「多い多い!何で銀識のにーちゃんも兄貴もそこまで野菜盛るんだよ!!?」
砥「隙アリ。」
人「俺の肉ぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」




実に楽しそうな家賊である。
殺人鬼の家賊というのも悪くないな、と花月は思い始めていた。



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