零崎一賊の最愛家賊

□14.色恋問題
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赤屍宅にて―――


「ふぅ・・・・。まさか花月君が家賊になるだなんてね。」

「そうですね・・・。」


気絶した赤屍を家の中に何とか運んだ後。
花月と卑弥呼はテーブルを挟んで座っていた。
もちろん、赤屍はちゃんと手当て済みである。


「僕もびっくりしましたよ・・・・。卑弥呼さん、強いんですね。」


チラ、と。
何故か卑弥呼の膝の上で眠っている赤屍を見る。
包帯だの、ガーゼだの、絆創膏だらけである。


「いや・・・・・。喧嘩してる時は大体無防備だからね、コイツ。」

「え?」

「私が何しても防御すらしないのよ。」

「兄さんなりに反省してるってことかな・・・?」

「そうね。」


サラ・・・と、卑弥呼が赤屍の頭を撫でる。


「でも一晩経ったら完治してるってのがムカつくのよね。」

「嘘ォ!?」


つくづく、彼の回復力には驚かされる。
暫くサラサラと赤屍の頭を撫でていただが、突然ピタリと止まった。
首を傾げる花月。
そして、肘をゆっくりと振り上げる卑弥呼。
そのまま卑弥呼は肘を振り落とした。





















赤屍に向かって。



















「起きてるでしょアンタァ!」

ドゴッ

「ぶへっ」


赤屍が呻き声を上げる。
ポッカァーンと、その様子を見る花月。


「さっきから太股に頬擦りしてるな〜と思ってたわよ!バレてないとでも思った!?」

「うぅ・・・・・。だって卑弥呼さんが膝枕してくれてるからつい・・・。」

「そうしないとアンタが文句言うんじゃないの!」

「充電ですよ〜充電したいんですよ〜。」

「はいはい・・・・。」


卑弥呼はどうやら諦めたらしい。
黙って赤屍にされるがままになっていた。


(僕のこと忘れないで欲しいなぁ・・・・。)


イチャつく二人を見て、そんなことを思う花月であった。
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