零崎一賊の最愛家賊

□14.色恋問題
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〜次の日〜

花月は赤屍のマンションに行った。
すると、出入口前に人識、舞織、砥石がいた。


「何してるの?」

「・・・・おぉ。絃識君。」

「避難ですよ避難。」

「うん。」

「避難?」


花月が首を傾げた。
その時。




















ドガーン!

パリーン



























爆音が上の方から鳴り響いた。
思わずガバッと上を向く。
と、




















赤屍が降ってきた。






















「はあ!?」


赤屍は近くの木に受け止められ、布団のように引っ掛かった。
よくみるとかなりボロボロである。


「兄さ―――ん!!!?」

「また派手にやったな香織のねーちゃん・・・・・。」

「乙女心の現れですよ人識君。」

「難しいものだね。」


絶叫する花月とは対照的に、人識たちは落ち着いていた。
どうやらいつものことらしい。
そんななか、赤屍の指がピクリと動く。


「ん・・・おや絃識君こんばんは。」

「『こんばんは』じゃないよ!!!?完全に死にかけじゃん!!」

「大丈夫です。この前報復に連れていかなかったときよりはいくらかマシです。」

「マシなんだ!?これでもマシなほうなんだ!!?」

「あー左手の感覚がもうないですね〜。」

「大惨事だ―――!!!」

「も〜、絃識君。夜にそんな大声出したら近所迷惑ですよ?」

「僕のせい!?それは、え、僕のせいなの!?」

「あきらめろ絃識君。何事にも慣れなきゃなんねーぞ。」

「ひ、人識君達は慣れたんだね・・・。」


一人でぐったりとした花月であった。


「まあとりあえず、香織のねーちゃんに絃識君紹介しねーと。」

「それもそうですね〜。」

「とりあえずて。」


ハァーとため息をつく。
花月はぶっちゃけ出直したい気分だった。

だが、誰かが外に出てこようとしているのが気配でわかった。

ダダダダダダッと派手な足音がする。
自動ドアが開いた瞬間に思い切り外に飛び出した。


「銀識!この程度で済むと思ったら大間違いよ!!」

「いや、もう、意識が危ういんですが。」

「知らんっ!」

「知らんて。」


右手に握られたレイピアをヒュンッと振るう彼女。
見覚えのある声と後ろ姿に、花月は唖然とした。















































卑弥呼さん?」
































「・・・・え?」


彼女――――――――――工藤卑弥呼がゆっくりと振り返る。
その様子を黙って見守っている人識、伊織、砥石。
ちなみに、赤屍の意識はすでにない。


「な、んで、絃の花月、が、ここに、」

「えー、と。なんていうか、その〜」


互いに言葉に詰まる。
代わりに口を開いたのは人識だった。


「あ〜・・・と。香織のねーちゃん、こちらが零崎絃識君。で、絃識君、こちらが零崎香織。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」































「「ハァァァァァァァァァァァアアアアアアア!!!?」」

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