零崎一賊の最愛家賊
□11.帰宅後
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「私は春日井春日、生物学者。よろしくねん花月くん。」
「よ、よろしくお願いします…。」
差し出された右手を、花月は握った。
横では赤屍、人識、舞織、研石、レナの5人が焼き肉の争奪戦を行っている。
自己紹介の直後、春日井もその争奪戦に参加していった。
「・・・・そういえば、今日はどうしたんですか春日井さん。」
夕食後、赤屍が食器を運びながら春日井の方を見た。
ちなみに、舞織とレナが皿を洗っている。
「あぁ、そういえばまだ用件を言っていなかったね。
って、いうか。私が来た時点で気付こうよ。」
「・・・・・?・・・・・・・・、あ。」
少し考えて、赤屍は顔を上げた。
その様子を見て、春日井がわざとらしくため息をつく。
「もうっ、忘れていたのかい?」
「いえ、忘れていたわけではないのですが、色々と忙しくて・・・・・。」
「?」
会話の内容がつかめず、花月は首を傾げた。
「花月クン、明日は空いていますか?」
「えっ、あ、うん。空いてる・・・と思う。」
いきなり話をふられて、慌てて答える花月。
その答えを聞いて、赤屍はクスリ、と笑った。
「よし、じゃあ明日、早速行こうか二人とも。」
「え、行くって、何処に?」
春日井の言葉に、花月はまた首を傾げた。
「鴉の濡れ羽島、ですよ。」
「え?」
首を傾げたまま、赤屍の方を向く。
「そこに・・・・・
まだ紹介していない家賊がいるんです。」
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