零崎一賊の最愛家賊
□2.出会い
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三天王が新宿についたその頃。
花月は十兵衛と雨流と一緒に無限城近くを歩いていた。
「花月、本当に無事でよかった。あの虐殺に巻き込まれたんじゃないかと心配したぞ。」
「だからごめんって。心配掛けて悪かったよ二人とも。」
「謝る事は無い花月。筧も、花月が無事だったのだからそう根に持つな。」
そんな風に話していると、花月の携帯が鳴った。
赤屍からのメールだった。
[もう三人いる家賊を紹介します。時間が空いたら家に来てください。]
とのこと。
「どうした?誰からだったんだ?」
「あ、いや何でも無いよ。」
花月は携帯を閉じ、今夜にでも行こうかなと考えていた。
と、その時。
キキキキキキキキキ、キ、キ―――――――――!!!
と、いう音とともに、花月たちの横を少し通り過ぎて、真っ赤な車が止まった。
派手で高級そうなオープンカー、確かコブラとかいう名前だった気がする。
乗っていたのは、ワインレッドのスーツに、胸の大きく開いた白いカッターシャツ。
肩まで届く長さの、酷く艶のある髪も真っ赤に染まっている。
そんな、嫌でも警戒心を狩りたてるような全身を赤に染めた女が、車から降りて花月たちに近付いてきた。
「ちょっといいか?兄ちゃん達。」
「は、はい・・・・。」
「この辺で黒いコート来て黒い帽子かぶって結構目つき悪い野郎見なかったか?」
「は・・・・?」
「見てないが・・・。」
「そっかぁ〜・・・。悪かったな。」
「潤〜どうだ〜?」
車にはもう一人、オレンジ色の髪の毛を肩のあたりで切り揃えた女の子が乗っていた。
女の子がヒョコッと車から顔を出し、赤い女に向かって叫ぶ。
どうやら、赤い女の名前は潤と言うらしい。
「見てねーってよ。・・・ったく私が来ることぐらい勘で気付けっての。」
「それは蔵人でも無理だぞ。」
とんでもない無茶を言う潤に、女の子はツッコミを入れた。
すると、女の子が口走った名前に、花月はハッとなった。
「あの・・・・。それって、赤屍蔵人の事ですか?」
「ん?なんだ知り合い?」
「仕事で少し・・・・。」
「・・・・ん?もしかしてお前《絃の花月》?」
「えっ。」
「お前、花月を知っているのか?」
十兵衛が潤に聞いたが、潤ははそれを無視し、花月の肩をガッと掴んだ。
「うわースゲー!マジで女の子みて〜カワイ〜!!私は哀川潤だ。よろしくな。」
「あ、ハイ、よろしくお願いします・・・・・。」
その後潤は「じゃっまた会おうぜ☆」とだけ言い残し去って行った。
彼女の真っ赤な車が見えなくなった時。
「嵐のような女だ・・・。」
という十兵衛の言葉に、残り二人は同時に頷いた。