零崎一賊の最愛家賊

□16.姉弟
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翌日には安心院は帰って行った。
結局何をしに来たのかはよくわからなかったが。
花月は「嵐が去った」と安心していた。
赤屍は別に気にしていなかったが。
それ以前に、朝っぱらから卑弥呼を挟んでレナといがみ合っていた。
卑弥呼の顔が猛烈に迷惑そうだったことは言うまでもない。
しばらくして、レナがホンキートンクに戻らなければならない時間に成り、卑弥呼はようやく解放されたようだった。



昼頃、赤屍は舞織と人識を連れて昼食の買い出しへ出かけた。
卑弥呼は朝相当疲れたらしく、ソファでぐったりしている。
砥石は自分の部屋だ。


「えーっと、卑弥・・・香織さん。」

「呼びやすい方でいいわよ。」

「じゃ、姉さん。」

「いきなり・・・?」


ツッコむ気力も無いようである。
これは相当だな、と思いながら花月は話を続けた。


「兄さんの事は兄さんって呼んでるから。」

「あ、そ。別に良いけど・・・。」


クッションに顔を埋める卑弥呼。
あまりの気力の無さに苦笑いの花月。


「そうだ、姉さんが零崎になった時の事教えてよ。」

「いいけど・・・」


クッションから少し顔を上げて、卑弥呼は話しだした。

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