零崎一賊の最愛家賊

□15.保護者到来
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ある日のホンキートンク――――



カランカランッ



「波児!仕事来てねーか仕事!」

「来てない〜?」

「ったく・・・来てねーよ。」

「チッ」

「え〜?」


仕事がなく、がっかりする蛮と銀次。
と、そんな二人の目にとまった客が二名。
その一方と目が合う。


「こんにちは♪」

「あ・・・こ、こんにちは・・・。」


目が合った方に、気さくに挨拶された。
うろたえつつも応える銀次。
もう一方は、無言で目さえ合わせなかった。

異質な、二人だった。

無言な方は、特に問題ない。
だが、気さくに挨拶してきた方が問題アリだった。
長い白髪をリボンで縛っている女。
そして、巫女服。
極めつけは、彼女の所々に刺さった螺。
思わず見入ってしまった蛮と銀次。
そんな視線は物ともせず、女は波児と話し始めた。


「いっや〜波児君も大人になったもんだね。」

「老けたんですよ。で?今日は一体何の用でしたっけ?」

「だーかーら。待ち合わせだってば。言わなかった?」

「《腑罪証明(アリバイブロック)》があるでしょうに・・・・・。」

「そうなんだけどね。」


一口、アイスコーヒーに刺さったストローからコーヒーを飲む。
蛮と銀次を見て、クスリと笑った。


「まあ、蔵人君を倒した人間を、一目見ておきたかったし?」

「「!!!?」」


知っている名前が出たことに、二人が驚く。


「赤屍さん・・・・?」

「あぁ・・・。紹介しましょうか?」

「いや、僕が自分から名乗るよ波児君。」


巫女服の女は体ごと二人の方を向き、名乗った。






























「僕の名前は安心院なじみ。平等なだけの人外だよ。僕の事は親しみを込めて安心院さんと呼びなさい。
で、こっちにいるのが不知火半纏。只そこにいるだけの人外だよ。」


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