イベント

□勘違いな彼
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「◎△◇#☆□※〜〜〜っ!!!???」

深夜、対テロ組織武装警察真選組の屯所内で、声にならない悲鳴が轟いた。
勿論それは、誰にも気付かれることはなかったが・・・。





「旦那ァ。一体これはどういうことなんでィ?」
「それはね、沖田くん。俺の方が聞きたいんだよ」

団子屋の店先で、深紅の毛氈が綺麗に敷かれた椅子に座る男が二人。茶を啜りながら、暢気に団子を食べていた。
土方が見れば、仕事中に何やってんだァァァ!!と瞳孔を全開にして激怒しそうな場面だったが、生憎というべきか、
幸いというべきか。その彼は今ここにはいない。
まぁ、当然二人ともそれを見越しての行動ではあるが・・・。
二人揃って団子を頬張り、茶を啜りながら、ハァッと大きな溜息を落とす。

「旦那がなんか言ったんじゃねェんで?」
「いやいや。沖田君がなんかしたんじゃねぇの?」

いつまで経っても、話は平行線だ。
二人の話題は、とある人物についてである。
沖田にとっては職場の上司。銀時にとっては愛しの恋人。
土方十四郎、その人のことである。

「また犯らせてくれねぇや、なんやいちゃもんつけて、喧嘩したんじゃないんですかィ?」
「人を犯るだけが目的の男みたいに言うの止めてくれる?俺と土方はそんなことしなくても、ちゃんと心は結ばれてんですぅ」
「じゃぁ、何であの人はあんなにブルーになってんですかィ?」
「だからそれは俺が聞きたいんだよ!!」

そう。土方は今、鬱状態に入っているかのように、自室から全く出てこないのだ。
これまでは暇を見つけては銀時と甘味巡りしたり、そうでなければ万事屋で銀時特製の手作りデザートを頬張っていたのに、それどころか部屋に籠もって通常の食事すらほとんど取ろうとしない。
近藤が心配をして問い質そうとしたが、彼はなんでもないと言って頑なに部屋に入ることでさえ許しはしなかった。
これはきっと痴話喧嘩でもして拗ねているのだろうと当たりをつけ、こうして沖田が恋人に事情聴取に来たというわけだ。
銀時は銀時とて、突然姿を現さなくなった土方に、ヤキモキしていた。
一週間ほど前、ふらりと万事屋にやって来たかと思えば、それっきりしばらくは会えないと言い残して土方は帰ってしまったのだ。
その言葉通りその日以降、万事屋にも来ない、休息所にも帰ってこない。銀時は何か仕事でトラブルがあったのかと心配していたところだった。

「なんか、気になることとかなかったんですかィ?」
「う〜ん・・・。最後にうちに来たときには、確かにちょっと元気なかったけど・・・」

その時は仕事で疲れているのか、と思ってたのだ。唸りながら、懸命にその時のことを思い出す。
確かあの時は、食後のデザートであるシフォンケーキを焼いていたのだ。
そしたら、土方がやって来て、何かごにょごにょと言っていたような気がする。

「まぁ、とりあえず、来てくだせィ。あのバカ引き摺りださなきゃ、話しになりやせんや」

明確な答えが帰ってくることを期待していた沖田は、銀時の返答に嘆息を落として立ち上がると、とっとと
踵を返したのだ。

「え?ちょ・・!!ちょっと待てェェェ!!!勘定してけェェェ!!!」

銀時の叫びは、一切合切無視をして・・・。




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