頂き物
□秋空前線
1ページ/3ページ
落ち葉が舞う。
今はそんな季節だ。
「風丸!」
愛しい恋人が自分の名を呼ぶ。
「冷えてきたね、急ごっか」
今日は、吹雪とデート。
いつもは洋菓子店に一緒に行く事が多いのだが秋という事で和菓子を食べに行く事になっていた。
吹雪が自分の手と俺の手を絡ませる。
「へへっ」
照れくさそうに笑う吹雪。
可愛い…。
はっ!自我を保て俺っ!!
「どうしたの、風丸?」
「な、なんでもない!」
俺は覗き込んでくる吹雪から目線を逸らした。
可愛いすぎるっ…。
そんな事を考えていると目的の店が見えてきた。
店に入り、案内された席へと座る。
「美味しそうっ!!たまには和菓子もいいよねっ」
メニューを見てはしゃぐ吹雪。
「くすっ、俺はお汁粉にしようかな。」
「じゃあ僕は抹茶パフェ!」
頼んだ物が運ばれてくる。
「ん、美味しいっ!」
パクパクとパフェを口に運びながら見せる吹雪の笑顔につい見とれていたら、口回りにクリームがついているのを発見!
「クリームついてるぞ?」
「え、嘘っ!?何処!?」
クリームがついている反対側をこする、吹雪。
「こっち。」
吹雪の口回りについていたクリームを親指で取って自分の口へ運び舐める。
「ん」
吹雪の方へ目をやると吹雪は顔を真っ赤にしていた。
「か、風丸君のバカぁ!!」
両手で顔を覆う吹雪。
「は!?ちょ、どうした吹雪!!」
「は、恥ずかしい事こんな所でしないでよっ!!」
周りの女の子が何故かきゃっきゃっしている。