戦国絵巻物語

□鏡花水月  第二話「流星の道しるべ」
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「実は、この地は長年 神保一族との争いが続いており、最近、神保側が戦の準備を始めた様子。今兵を募っており、ぜひ、力を貸して貰いたいのだが...。」
増気左衛門は、額より汗をにじませ、深刻な顔で話し始めた。

「我らを雇うとなると、報酬もそれなりの額になると思いますが....。」
あまり気乗りしない感じのそぶりを見せる雷月。

「そなた達の噂は聞いておる。なかなか腕のいい武人達であるとか...。それなりの報酬は払うつもりだが...。」

「死んでしまっては、頂く者も物も戴けなくなりますので、前払いで...。この条件をのめるのならお力になりましょう。」
意地悪な笑みを浮かべる雷月。

「うむむむ....。」
呆れ半分、怒り半分、そして困り顔の増気左衛門。
だが、年々神保家に責め押され、衰退続きの椎名家...。ネコの手も借りたいほど...。
数日後、十分な報償金を持参し、増気左衛門がまた訪ねてきた。

そして、ここ新川郡にて 椎名軍 対 神保軍 の合戦が始まった。

今まで、神保軍に押されて敗北を重ねて来た椎名軍であったが、今回は違っていた。

花月達は八曜陣と皆で合わせて十人の十を組み合わせて、『八曜十陣組』を結成、富樫家の八曜紋の中央黒丸に白で十文字を入れて、八曜十陣組の旗を掲げて勇ましく戦い、勝利を収めた。
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