黒き竜に愛されし者
□プロローグ
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【プロローグ】
「あんたが白きドラゴン、レシラムを捕まえて人々からポケモンを奪うなら………アタシはもう一体の伝説のドラゴンを捕まえて邪魔をするわ!」
まだ10歳になったばがりだろう少女が目の前の少し年上の少年に指を突きつけて叫ぶ。
「君は何を言ってるんだい?レシラムは捕まえるんじゃないよ?トモダチになるんだ。それに、人間からポケモンを奪うんじゃない、解放させるんだ」
「人々にポケモンを捨てろっていうの?!彼らにとってもトモダチであるのに!!」
少女は、近寄ってきた少年の手を乱暴に払いのけて再び叫ぶ。
「アタシは絶対にそんなことさせない!絶対に邪魔してやるんだから!エルフェス、キセキ、行こう!」
「トーコ!!」
少年の声に少女……トーコは、一度だけ振り返ると、声に出さずに唇だけ動かす。
サヨナラ、N。
コンドアッタラ
テッテイテキニ
ジャマスルカラネ?
そのままトーコはツタージャのエルフェスを頭に乗せてゼブライカのキセキに跨がると、振り返ることなく走り去った―――――。