第一話

東京・鳥居坂署。刑事課強行犯係3班の部屋では百合子(大塚寧々)らが仕事に追われていた。強行犯係3班……通称“ザンパン”と呼ばれるその部署では、小さな事件を次々と押し付けられる。おかげで百合子は当直明けだというのに帰ることもできない。夫と離婚して以来、息子の海斗を女手一つで育てている百合子。そんな息子のためにゲームソフトを買いに行くことさえままならない。
さすがにキレかかる百合子を課長の田所(石原良純)は、例の調子の良さでなだめすかすが、一向に効果はなく、逆に百合子の怒りに火をつけてしまう。そんな3班の新しい班長として仙道(柴田恭兵)が赴任してきた。が、鳥居坂署に入った早々、3班の刑事・鵜飼(寺尾聰)に出所してきたばかりの島田(飯田基祐)が包丁を突きつけるという事件が発生した。島田に気づかれないように椅子を手に近づく仙道だが、転んでしまい逆に島田の標的に。鵜飼の機転で助けられる仙道。それが新しい上司だと聞かされた鵜飼はただただあ然とするばかりで…。
 田所の案内で仙道は3班の鵜飼、百合子、そして若手の越智(生田斗真)というメンバーと引き合わされる。仙道はそんなクセのあるメンバーの前で、大好きな空を例に挨拶をしようとするが、近くの駅で人身事故の報が入り刑事たちはドタドタと出かけるはめに。そんな仙道に百合子は「ひと月ももたないわ」と吐き捨てる。
現場へ行く道すがら、仙道は鵜飼に自分が厚生課からの転属であると自己紹介を。事務職からの新人刑事…鵜飼はあきれてものも言えない。鵜飼はそんな仙道に内偵中の事件があるから、とさっさとどこかへと行ってしまう。
 駅で人身事故とは「痴漢よ、つかまえて」という留美(横山めぐみ)の声に反応した川野(市川大)と粟島(平泉陽太)が男を追跡。その男が線路に下りて逃げようとしたところを電車にはねられてしまった、というものだった。
 仙道、百合子らは関係者の事情聴取を始めるが、痴漢をされたはずの留美の様子がおかしい。百合子がしつこく当時の状況について聞くと、自分ではなく若い女性が男に触られているのを見たのだという。留美は以前にも被害にあっている女性に代わって警察に痴漢を訴えたことがあったが、そのときは被害者が被害にあっていないと証言。結局、事件にならず、今回も同様な結果になることを怖れたらしい。
電車にはねられた男は死亡したが、田所は留美の証言どおり痴漢事件として立件するよう指示。痴漢の被害者については立て看板を立てて呼びかける程度にし、とりあえずは男を追いかけた青年たち、留美に謝礼を払って帰ってもらうことにする。が、ろくに調べもしない警察に腹を立てた留美は謝礼をつき返して帰ろうとする。
 そんな様子を見ていた仙道は、このままでは留美が二度と痴漢を見ても叫んでくれなくなるのではないか、と怖れ、真剣に痴漢の被害者を探し出し、留美の証言がウソではないことを証明したい、と言い出す。
何をいまさら…。百合子は言下に反対、鵜飼ももしも留美がウソをついていたらさらに彼女を傷つけることになる、と仙道を止めようとする。それでも一人、被害者を探し始める仙道だったが…。


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