聖なる騎士

□食事当番(全15ページ)
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それぞれ雑談を交しながら行軍した。


天気も良くて、穏やかだ。


「シーナ殿。まだ話したことがないな」


「そうだな」


エルフのドーズンが話しかけるが、シーナは興味なさげに歩き出した。


「な…何だアイツ…」


ドーズンは少し頭にきた。


サニアが苦笑してドーズンの袖を引いた。


「気にしないで。ちょっとシーナ、今これからのことで頭が一杯なの」


「そ…そうですか…」


「ええ…。やっぱり最後のことを考えると苦しくて負けそうなんだけど…私達、出来ることをやろうと思ってるの」


「なるほど…。俺、全力であなた方を守りますから」


「ありがとう」


その時。




「あーーーーーーッ!!!!!」




いきなりフィルが叫び声を上げた。


「ふ…フィリップ!あまり大きな声を出さないで!一応隠れて進んでいるんですから!」


スレヴィナが唇に人差し指を立てて叱る。


全員が驚いて立ち止まってしまった。


「どうした?!!」


ヨズフが慌てて肩に手を置く。


「じ…実は…」


フィルはヨズフに何やら耳打ちする。


次第に…ヨズフの眉間に皺が寄っていく。




「剣を忘れた?!!!!!」




これには全員が蒼白になる。


しかし…。


「…ん?ちゃんと腰に下げているじゃないか」


クダールがフィルの腰を示したが…。


「い…いえ…。これは聖剣グランディオーソで…。普通の剣を…」


聖剣グランディオーソは腰に下げてあった。


「な〜んだ。だったら問題ないじゃないの。人騒がせな奴ね」


サニアの言葉に…スレヴィナが地団駄を踏む。


「駄目です!!使って良いのは冥界に住まう者に対してだけです!!」


「何故、使ってはならないんだ?」


シーナの質問にスレヴィナは冷や汗を流して無言になった。


言ってはならないのだろうと判断したシーナは…魔導書でフィルの頭を叩いた。


「いったぁあ…!」


「こいつの剣をどうするか…だな。このボケ」


「痛い痛い!何すんだよ!」


フィルはヨズフの背後に隠れる。


「ま…まあ…歩きながらでも。さっさと進まなければいけないんでしょ?」


傭兵フィーラがシーナを止めた。


もはや引き返せない。


この事態、どうなるのか…?
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