精霊伝説
□純愛物語(全100ページ)
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エリックや長やエルフ達に別れを告げたヘレンダ達は、結界の外に出て氷の大地の上に立った。
「ガイター…言ってたな…」
「どないしたんや?ヘレンダ」
「やっと探し当てたのに…とか何とか。何を探し当てたんだろう」
「…エルフの集落…あるいは、レンディの所在がバレた、としか思えんな」
アーデが溜め息をついた。
「レンディは、やはりガイターの後継者だったか…」
「………」
「んなモンええやんか。またガイターが襲って来おったら、ギッタギタにしたったらええんや。アーデも絶好調やしの!」
「…絶好調…?」
アーデは眼鏡を外して、霜を拭った。
「さっき、急遽…闇の精霊をひっ捕まえたばかりが…絶好調?」
「違うんか?」
「テレポートを使うには闇の精霊が必要だったから仕方ないが…………ぶぇっくしょいッ!!!!あー…畜生…お陰で風邪を引いたようだ…」
アーデはスカーフを巻き直した。
「そりゃあ…ローブ一枚で氷の大地でスケートしてたら当たり前ですよ…」
マークルは苦笑している。
「魔力を込めなければ、法衣なんてクソ重たいだけだからな……………ぶぁあッくしょぉおいッ!!!あー…熱あるか
も…」
「大丈夫かな…」
「ズルッ。ヘレンダ…心配しなくともいいぞ…。ちゃんとレンディの薬は飲んだから…」
「滅闇の精霊石は?」
「………」
「…嘔吐しちゃったんですね…」
「…まあいい…。行くぞ!!!」
アーデは朱雀の長杖を掲げた。
「テレポー………………」
「やば…!」
「…ッしょんッ!!!」
アーデのくしゃみと共に、場所が変わった。
「Σあっつーッ!!!!」
「ここ…ゼード砂漠じゃないですか!」
「へっくしょい!あー…間違えた…。行くぞ!!!」
アーデは朱雀の長杖を掲げた。
「テレポート!クションッ!!!」
…遠くに山脈が見える。
「あれは…レイド山脈か!?」
「おいおいおいこらおいおい…」
「…こら…?」
「アーデさぁん…」
ヘレンダ達は、襲って来た魔物と戦闘するハメになってしまった…。