精霊伝説
□〜間奏〜
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世界最小の列島ジャバル王国から南の小島で、奇石戦争は起こった。
勇敢にも、デイン王国所有の軍艦で邪精霊ガイターに挑んだ二人の人物。
英雄ヘレンと、大賢者アーデ。
戦いは7日7晩を費やしたとされている。
しかし…。
英雄ヘレンの戦死と、大賢者アーデの生死不明の報が世界中に届くまで、そう時間はかからなかった。
ユルフ王国でも騒然となる中、王女タールナと王宮管理官のマークルは一通の手紙によって不安など吹き飛ばした。
「ヘレンダは、デイン王国に居るのか」
「ああ。暇が出来たら、会いに行かないとね」
マークルとタールナが茶を飲む傍ら、セレフィアは涙を堪えていた。
「アーデ様が死んだなんて、私は信じない。きっと生きている…」
「今はヘレンダも時間が必要や言うてるんやろ?せやったら、待とうや。時期が来れば迎えに行ったったらええんや」
「そうだな。さあ、二人共。今日は魔物退治に出掛けるぞ」
「その前に。皆で、ヘレンダに手紙の返事を書いてあげよう」
「ええ。ヘレンダは、どんな殿方に成長するのかしら」
そうして、遠方の友人達の文通は始まった。
共に、邪精霊ガイターを倒そうと約束をした。
それから月日は流れ…。