天馬の騎士

□お使い(全12ページ)
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レルフとユルーマが婚約して、二週間が経った。


「トーナ!!!」


レルフは騎士団寮に駆け込んだ。


まだ、夜中の二時…。


トーナは、ぐっすりと眠っていた。


「トーナ!!起きろ!!」


トーナは、ファリラ小国最強の騎士ザークと同室なので…一人で眠っている。


レルフは構わずに、大声で叫んで揺さぶる。


「…ん…王子…?」


「トーナ…大変なんだよ…ああ…ともかく来てくれ!!」


トーナは目を覚まし、宝石だけを持ってレルフの後を追った。


会議室へ駆け込むと…寝間着姿の国王とイージル、兵士や騎士が二人ずつ腕を組んでいた。


「どうしたんだ…?」


「これを見てくれ!」


イージルが、書類をトーナに手渡した。


トーナは、それを読んで…目を見開いた。


「嘘だろ?!!どうすんだよ!!!」


「我々も困っているのだ…。何故、こんな事が…」


書類の内容は…。


先日、遠征に出た黒騎士団の鎧に関して…。


騎士達の鎧は特殊。


だが…わずかに弱点があった。


数々の鎧の中に「核」が存在していて、これを破壊されると…鎧は消えてなくなる。


「核」の場所は着ている本人にも分からないし、原料の一つ…精製されたミーティアのお陰で、並の武器では破壊出来ないのだ。


「核」を破壊された例は、いくつかあるが…それは、今の国王の父親の代。


まだまだ改良が進められていた時のみだ。


「遠征に出た黒騎士団の全員が核を破壊されただ?!!!あ…有り得ねぇ…」


「問題は…作り直す鎧の原料の量と金額だ…。頭が痛い…」


国王は頭痛を耐える。


黒騎士団…50騎の鎧を再び作り直す…。


原料のミーティアとオリハルコンを採掘しなければならない上…精製に使用する薬も、それなりに高価だ。


「オリハルコンなんか滅多に採掘されないし…。ミーティアは、他国から買い取れるが…」


レルフは蒼白になる。


何せ、物凄い量を買い物だ。


一気に国は傾くだろう…。


「黒騎士団を動かせないのは痛い…。トーナ。現在、稼働可能なのは何騎だ?」


「ええ?!別動隊40騎が今ネイザー国だから…30騎ッスね…」


「ああ…明日は、東の砦を攻略せねばならないのに…」


「白騎士団も…今、国を開ける訳にはいきません…」


イージルも頭痛を耐えた。
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