聖者と覇者

□暗黒の回廊(全6ページ)
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ディルス達の方は…また道が分岐していた。


「左だ」

「え?」

「いや…勘だ…。それしかねっだろ!」


ギルドの勘で、左へと進んだが…また道が分岐した。


「じゃあ、次は右…」

「………」


ディルスの勘で、右の道を行くが……また道が分岐した。


「………」


リオールが、左の道への壁に剣で傷を付けた。


「じゃあ、次は左だ」


…ところが。


また道が分岐したのだが…。

進んで来たにも関わらず、左への道の壁にリオールが付けた傷が…。


「どうなって…」

「…やられた!!!」


ディルスが壁を拳で殴って、血を吐くように叫んだ。


「ギルド様…。我々は…無限ループのトラップにかかってしまいました…」

「何だと?!!」


無限ループ…。

魔力により、一生同じ道を行き来するよう仕組まれた罠だ。


「ギルド様、引き返しましょう!最初の分岐まで戻るんです!」


このトラップにかかっては、いくら魔法を精通しているギルドやディルスでも…取り返しがつかない。


来た方向を逆算して、慌てて引き返したが…。

分岐点にて、また左の道への壁には…傷が…。


「え…永久に、抜けられない…のか…?!」

「そ…そん…な…」


ギルドとディルスは、力なくその場に腰掛けた。

リオールも不安になり、愛馬クロノスに体を寄せた。




ギルド達が足止めを喰らった頃。


ロアはセリルをかばいながら、魔物と戦闘になっていた。


広い空間に出れたは良いが、前後を魔物の大群に阻まれて、戻る事も進む事もかなわない。


「聖なる光よ。我らに栄光を!!」


セリルは、ロアと背中合わせに立って杖を振るった。


「ディーズランス!!!」


光輝く槍が、魔物の群れを貫いた。


「破壊と殺戮の光!!我が前に平伏せ!!」


ロアは魔剣と聖剣を交差させ、炎を放った。


「フィアフルフレア!!!」


炎は一帯を炎上させ、魔物の群れを灰にした。


だが…魔物は次々と増えてゆく。


「キリがない!!!」


絶望した、その瞬間…。

バルラが竜人の姿になり、羽根を広げる。


「滅せよ!!!」


腕を広げ、ロアとセリルを背中にかばう。

一瞬にして大爆発が起こり、進行方向への道に群れていた魔物は吹き飛んだ。


「今だ!走れ!!」


三人はかながら走り…なおも魔物を撃退しながら、行き止まりへと突き当たる。


その行き止まりには、綺麗に装飾がなされた宝箱があった。
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