小説

□我こそは塵兵衛!!+紅+
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「ガアァァァァ!!!」
「ワアァァァ!!!!」
オレは、必死に逃げる人間を背中から押し倒し
逃げられぬように全体重を乗せ背中を押さえ付ける
人間は必死にもがき、狂ったように暴れ続ける。
「い、いやだ!!!!いやだ!!いやだ!!!!」
・・久しぶりの獲物・・・百姓と違い、豪華な着物を着ている上
丸々と太っている・・・痩せこけた百姓の肉と違ってな・・・
これは・・極上の味に違いない・・・・
旨そうな獲物を目の前に、オレはヨダレを流さずにはいられない・・・
流れでるヨダレが人間の頭の上に滴り落ちる
「いやだ!!!!誰か!!!助けて!!いや!!!!助け!!助けて!!!!!!助!!!!助!!助!!!!いやだ!!!!いゃう!!!!」
必死にもがき、もはや言葉にすらならないほど助けを求め叫び続ける人間。
命の危機に立たされる人間は、必ずしもこんな状態になる・・・
命惜しさに必死にもがき続け、発狂する・・・・・
そうやって必死にもがき続ける人間達を見ると
正直・・辛い・・・・・
こんな光景はオレから見れば、何度も見る光景ではあるが
何度見ても慣れやしない
心が押し潰されるような気持ちになる
「助けて!!!!嫌!!!!嫌!!嫌!!!!!!」
・・・・辛い・・・・
こっちも死にたくなる・・・・・
だが・・悪く思うなよ・・・・・
オレもまだ・・・死にたくは・・ない・・・・・
オレは牙を剥き出すと同時に呻き声をあげる。
「グルルルル・・・」
「嫌!!嫌!!!!嫌!!!!!!!!」
声が裏返りながら悲鳴をあげる
苦しませたりはしない・・・・・一瞬で楽にしてやる・・
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