小説

□我こそは塵兵衛!!+語+
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虎ノ穴・・・
昔、塵兵衛という巨大な虎がいました。
その虎は大変獰猛な性格をしていた為
近くの村人達は恐れ、その穴に決して近付こうとしませんでした。
ある時、子供達が鞠で遊ぼうと村の外へ出て行き
あの虎が住むといわれている穴の近くにまで来てしまいました
大人達が決して来ないというので、遊ぶ為には持ってこいの遊び場と
子供達の間では噂で広まっていたからです
早速、鞠で無邪気に遊んでいると
ある子供が勢い余って、鞠を遠くの方へ蹴飛ばしてしまい
鞠は穴の方へと転がっていきました。
少女は虎の事など全く知らずに鞠を取りにいき
真っ暗な洞窟の中を少女は奥の方へと徐々に入っていくと
奥から何やらボンヤリと明かりがあるのに気が付き
興味を持った少女は
奥の方へと進んで行きました。
ようやく明かりの元へと辿り着くと
そこには、焚火に当たりグーグーと眠っている
大きな虎がいました
「大きな猫!!」
その叫び声に虎はムクリと起き、大きなあくびと伸びをしました。
少女は大きな猫を見つけたと思っていたのか
喜びながら駆け付け、頭や首等を撫でてやりました
その様子を驚いたのか塵兵衛は戸惑い
「お前はおれを恐れぬのか?」
と塵兵衛は言います
すると少女は
「しゃべる大きな猫!!」
と叫び、喜びはしゃいでいると
一緒に遊んでいた子供達がゾロゾロと入ってきました
どうやら、心配になり洞窟に入ってきてしまったようです。
「見て!!しゃべる大きな猫!!」
塵兵衛が気に入ったのか無邪気に可愛いがります
「しゃべって!!しゃべって!!」
少女は塵兵衛にしゃべる様に頼むと
塵兵衛は困った様子で話します。
「オレは虎だぞ?怖くないのか?」
少女に向かってそう言います。
すると他の子供達もゾロゾロと塵兵衛の回りへ駆け付け
撫でてあげたり、跨がったり
無邪気に笑いながら楽しそうにしてました
「猫も一緒に遊ぼう」
少女は言うと
塵兵衛はポカンとした顔で、子供達に誘われるがまま
洞窟の外へと出ました。
子供達と共に鞠で遊ぶ塵兵衛
その顔はとても楽しそうで幸せに満ち溢れていて
無邪気な子供のような笑顔で遊んでいたそうです。
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