キミと恋愛中
□次勝てばいいんだよ。
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赤司視点
黄瀬とりまが居なくなり練習を再開しオレは皆に指示を出していた時だった。
見慣れない女の人が体育館に入って来た。
その女の人は俺に近づきオレの名を呼んだ。
久し振り、征ちゃんー
その、呼び方で呼ぶ人をオレはよく知っていたがもうすでに故人のはずだ。
「あんたは誰だ?」
「君がよく知ってる人」
ふふ、とイタズラぽく微笑む。
「いや、でも…あんたは死んだはずだ」
「色々あって死んだ事になってんのよ。まあ、大人の事情ってこと。今はあの子のマネジャーやってるけどこの事はあの子に言っちゃだめよ」
険しい表情でそういうこの人を見て言いたい事が沢山あったが、言葉を呑み込んだ。
この人が一番辛いからだ。
「わかりました。でもそれでいいのか?」
「いいのよ。あの子私の事嫌いだと思うし、正直親らしい事何もしてあげられなかったから、あの子のマネジャーになって支えてあげようと思ったのよ。それにりまには征ちゃんが居るから大丈夫でしょ。あの子のこと頼んだわよ!」
と云われて背中をバシンと叩いてあの人は行ってしまった。
あいつのそばにいようと決めたあの日からずっと一
緒だったな。
去年を除けばだが。
オレはあいつを守れているのだろうか?
最近はやたら緑間に頼ってるりまを見るとオレだけを頼ってるほしいと思ってしまう。
たった一人の大切な女の子。
その子を守る為ならオレはどんな手段でも容易くできる。