キミと恋愛中

□赤は恐ろしくて優しい
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「いつまで泣いてる気なんだ?」
「…な、泣いてないです…」
と言って私は征十郎の胸に顔を埋める。


「相変わらずお前は泣き虫だな」
何度も何度も優しく頭を撫でてくれる彼にドキドキしてしまうがそんなの只の邪念だ。



「りまちゃん!どうしたの?」
「ヤツが部室に…出たの」
「う、とうとう出たのね。やっぱり部室が汚いのが原因かしら」
「そうだと思うよ」

私は征十郎からガバッと離れさつきにそう言う。



「…今日はもう…帰るね」


「今日だけ、許可しよう」

「ありがとう」



体操服に着替えてないで制服のまんまだった私は教室に荷物を取りに行った。








玄関の扉を開き
「ママさん、ただいま」
と言う。


「おかえりなさい、りまちゃん。征十郎はまだなのかしら?」

私が今喋ってる人は征十郎の母。

征十郎の両親などには猫を被ってない。


「まだ、部活中だったよ。それより今日からよろしくお願いしますそれと、これ生活費です」




「あらあら、そんなに律儀にしなくてもいいのよ」

私が差し出した茶色い封筒をママさんは受け取らなかった。


「え、でも…」


「子供がお金の事心配するんじゃありません」


「ありがとうございます!」

「早速だけど、ラッキーの散歩がてらおつかいして来てくれるかしら?」
「はい!」
「じゃあ、着替えたらまたリビングに来て頂戴」



制服から私服に着替えてリビングに行きママさんからお金とメモを渡され外に出る。
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