キミと恋愛中
□次勝てばいいんだよ。
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体育館のドアを開け、中を見る。
しんみりとした空気が漂う体育館。
ニヤリと嫌な笑みを浮かべてる灰崎と佇んで悔しそうな表情でいる涼。
「なんか、あったの?」
「ハハハッ、てめぇー、どこまでも空気読まねぇ、女だな」
「やだなー、ショーゴくん。空気なんて私絶対読まないし。てか、その隣の女何?私ショーゴくんの趣味疑っちゃうなー」
ビシッと人差し指で灰崎の隣にいる女を指差す。
「なんなのあの女!!ちょとショウゴくん!!」
「オレあいつには口出し出来ねぇーんだよ。色々と借りあるしな」
「あはっ、今日のショーゴくんは物分りいいね。りま物分りいい人好きだよ。でも、ショーゴくんの隣にいるビッチさんは、嫌いだなー。
ビッチさん涼の元カノだったんでしょ?それで、今度はショーゴくんか。尻軽にも程があるね♪まあ、大抵そういう、女って最後は捨てられて終りだよねー。
んなに自分の胸の大きさを気にしてるのか?」
「別に気にしてないし!」
「ふーん、気にしてるのか」
鼻で笑われ馬鹿にされた様な気がした。
「征十郎のバカっ!」
「はっ?誰が」
「征十郎が」
「はっ?」
「だから、征……はいはい、バカなのは私ですよ」
「わかればいいんだよ。駄犬ちゃん」
なんか、凄いムカつくが今更征十郎に楯突いたって敵う訳がない。
てか、そうしないと今までの絆が崩れる。
そろそろ帰ろうと思って涼の方を向いたら、居なかった。
「あっ、涼がいない」
「黄瀬くんならさっき出て行きましたよ」
と黒くんが教えてくれた。
「はぁ、あいつ迎えに来たのに私は何しに来たんだろ」
「オレの練習してる姿見に来たんだろ?」
ニヤリと笑い相変わらず上から目線の彼はどんだけ自意識過剰なんだろうと思ったのは秘密。
「違うし!まあいいや。探しに行くか」
体育館を出て涼を探そうと思ったが、この帝光中学校が広い事を私は忘れてた。
やっぱ、帰ろうかなっと思った時後ろで物音がした。
涼が後ろにいる。
「涼っ!!」
「ほっといてくださいッス!」
と云って逃げられたので私は全力疾走で彼を追い掛けた。
そろそろ息切れになりそうになった時丁度行き止まりの所まで来たので二人とも止まり息を整えた。
「えっと、大丈夫?」
「大丈夫な訳無いッス!」
私に見えない様に背を向け泣いている涼が弱々しく見えて見てられなかった私は後ろから彼を抱き締め、
「負けたなら、次勝てばいいだろ。お前男なんだからクヨクヨすんなよ」
と、云った。
「りまっち…」