キミと恋愛中
□赤は恐ろしくて優しい
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「えっと、真白木りまです。…よろしくお願いします」
人付き合いはそんなに好きじゃないし、めんどくさいだけだから適当に話した。
みんな、私の事なんか興味なさそうな雰囲気だ。
まあ、ありがたいけどね。
「ほら、いつまでボッーとしてるんだ。さっさと行くぞ」
彼はそう言って私の首輪を引っ張る。
「痛いよっ」
「何か言った?」
「なんでもありません…」
征十郎に部室に連れて来られた私はドリンクや洗濯をしろっと命令された。
「ちゃんとやんないと後でお仕置きな」
ニヤリと嫌な笑みをして去って行く征十郎。
「めんどくせぇ」
「あっ、りまちゃん!どうしたの?」
部室に入って来た訪問者は男バスのもう一人のマネジャーで私のクラスメイトのさつきだった。
「今日から…マネジャーやるとこになったの」
「そうなんだ!これからよろしくね」
「こちらこそ」
さつきは本棚から資料を取るとまた体育舘へ戻って行った。
征十郎に言われたドリンク作りをやってるのだが量が半端ないです。
これ終わるの?
私がドリンク作りに夢中になってる時にヤツは来た。
カサカサッと音がして音がした方を振り返ると、黒くてテカってる何かが私の足元を通り過ぎた。
…嘘だと思いたい。何故ヤツがここにいるのだ。
てか、この部室汚くね!誰だよこんなに汚くしてるやつ。
ピアス落ちてるし、何か変な置物あるし、グラビアの写真集あるし、お菓子の食べカスとか落ちてるし、ハサミが普通にそこら辺にあるのっておかしいよね?
マジクソきたねぇーよ!
カサカサッー
カサカサッー
カサカサッー
うっ、これって沢山いるって事だよね?
私ヤツが大っ嫌いなんだけど。
取り敢えず隠し持っていた木刀を出しヤツに向かって投げる。
が避けられてしまい、私の方へ飛んで来るヤツ。
ピタッーー
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁああッ!!!!」
ヤツが私の顔面に一瞬止まりそしてまた何処かへ飛んで行った。
あまりの衝撃に悲鳴が出てしまった。
もう、無理だよ!
私はもうダッシュで体育館に駆けて征十郎に思いっきり抱き付いた、せいか征十郎と私は倒れた。
「あ、赤司くん…部室に、や、ヤツが!」
微妙に征十郎の顔が紅い様な気がするがそんなのお構いなしに私は征十郎に抱き付いた。
「落ち着け、りま!お前が言いたい事はなんとなくわかった」
優しく頭を撫でて私を落ち着かせようとしていた。
「うぅ、赤司くんー」
征十郎は私を立たせ目頭に溜まっていた雫を拭き取った。